サーモスとかいう神コップ

私は暖かいココアの飲みながら、動画の続きを見るのだった。

・・・あれはちょうど1時間前の出来事だ。

「寒くない?温度上げていい?」

一見して到底社長とは思えない、けれども会社の長であり、無駄に高い椅子に座っている社長が、私に言った。

「うむ、苦しゅうない」

返事を待たずして温度を上げている社長に、ツッコミを入れたくなるが、よくよく考えると、温度を上げに行ってくれたのだからお礼の一つでも言ってやろうと思った。

「大儀であった。何か褒美をくれてやろう」

ちょうど給湯室でココアを入れていたので、社長の分もついでに持っていくことにした。なんて優しい社員なのだろう、素晴らしい。

そんなこんなで、今に至るわけだが、一向に暖かくなる気配がない。オフィス一体が氷河期にでもタイムリープしてしまったのだろうか。いやそんな筈はない。業務中にもかかわらず、Youtubeとソリティアが表示された誰かさんのディスプレイの右下には、人類が2回目のミレニアムを迎えて20年が経過していることをしっかりと示していた。

では、エアコンの設定が間違っているのだろうか。あのポンコツなら間違って冷房にしている可能性は否定できない。だがしかしエアコンのコントローラーはしっかり暖房になっている。疑ってすまんな社長。

ここで私は、一つの事実に気づいてしまった。エアコンが壊れているのである。ああ、数多の事象からこの事実に気付けるものが世界中に何人いるというのだろうか。まったく優秀すぎるというのも考え物だ。

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